テーパ・勾配の角度計算ツール【1/10テーパは何度?】モールステーパ早見表つき

① 大径・小径・長さ → テーパ・角度

② テーパ比 1/x → 角度

③ 角度 → テーパ比

テーパ = (D−d)/L(直径基準・全角側)、勾配 = 片側の傾き = テーパの1/2。旋盤の複式刃物台の振り角度には「片側角度(勾配角)」を使います。

目次

規格テーパの早見表

名称テーパ全角(約)主な用途
モールステーパ MT11 : 20.0472°51′26″ドリル・リーマのシャンク
モールステーパ MT21 : 20.0202°51′41″同上(小型旋盤の芯押し台)
モールステーパ MT31 : 19.9222°52′32″同上(中型ボール盤)
モールステーパ MT41 : 19.2542°58′31″同上
7/24テーパ(BT/NT)7 : 24 = 1 : 3.42916°35′39″マシニングの主軸(BT30/40/50)
テーパピン1 : 501°8′45″位置決めピン
ベアリングアダプタ1 : 124°46′19″自動調心軸受の内輪穴
管用テーパねじ(R/Rc)1 : 163°34′47″配管ねじのねじ部テーパ

※モールステーパは番手ごとに比が微妙に異なる点に注意(共通の丸め値はありません)。

テーパと勾配の違い

テーパは直径の変化率(両側)、勾配は片側の傾きです。同じ形状なら「勾配 = テーパ ÷ 2」。旋盤でテーパ削りをするときの複式刃物台の振り角度は片側角度(勾配角)です。

よくある質問

1/10テーパは何度?

全角で約5.7248°(5°43′29″)、片側では約2.8624°です。

勾配1/100は何度?

atan(0.01)≒0.5729°(約34分)。こう配キー・くさびなどに使われます。

テーパと勾配の違いを整理する

テーパ(taper)は軸や穴の直径が長さ方向に一定の割合で変化する形状を指し、勾配(こうばい)は片側の面だけが傾いている状態を指します。テーパは「両側=直径の変化」で表すため、同じ傾きでも勾配のちょうど2倍の数値になります。

たとえば「1/10テーパ」は、長さ10mmあたり直径が1mm細くなるという意味です。片側で考えると長さ10mmあたり0.5mm傾くので、勾配では「1/20」に相当します。旋盤の複式刃物台を振ってテーパを削るときに使うのは片側角度(勾配角)である点に注意してください。

テーパの計算式(tanθの考え方)

テーパ比1/xと角度の関係は、直角三角形の正接(タンジェント)で求められます。半角をθとすると、tanθ =(大径-小径)÷(2×長さ)= 1 ÷(2x)です。全角はこのθを2倍したもので、テーパ比が小さい(xが大きい)ほど角度も小さくなります。

片側の勾配角αだけを知りたい場合は、tanα = 1 ÷ x をそのまま使えます。数値を確認する際は単位換算ツールもあわせて使うと、mmと度・分・秒の行き来がスムーズになります。

実務でよく使うテーパ

  • モールステーパ(MT):ドリルやリーマのシャンク、旋盤・ボール盤の主軸穴に使う自己保持テーパ。番手ごとに比が微妙に異なります。
  • 7/24テーパ(NT・BT):マシニングセンタの主軸に使う急勾配テーパ。自己保持しないぶん着脱が速く、自動工具交換に向きます。
  • テーパピン 1/50:位置決めや部品固定に使う細いテーパ。抜き差ししやすく、繰り返しの分解組立にも向きます。詳しくは機械用ピンの種類と使い分けを参照してください。
  • 管用テーパねじ 1/16:配管の気密を保つためのねじ部テーパです。

図面でのテーパ指示

図面ではテーパを「1:10」のような比率、または角度で指示します。テーパ記号を基準線に沿えて向きを示し、テーパ量・基準径・基準位置を明記するのが基本です。精密な角度が要求される部品では、サインバーによる角度出し・測定で仕上がりを検査します。

参考になる書籍

テーパや勾配の指示方法、規格値をまとめて確認したいときは、製図の便覧が手元にあると調べものが早くなります。

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免責事項

本ツールおよび記事の計算結果は参考値です。実際の設計・加工にあたっては、最新の規格や各メーカーの仕様を確認し、自己責任でご利用ください。当サイトは結果の正確性・完全性を保証するものではありません。

この記事を書いた人

和田 慎(わだ しん)。機械設計歴8年。個人事業主として、主に自動車業界向けの専用機(専用装置)の設計を手がけています。現場で実際に使う計算や図面の知識を、新人の頃につまずいた経験をふまえて、できるだけわかりやすくまとめています。記事の数値や規格は目安であり、実際の設計・加工はJIS規格・メーカー資料・社内基準をご確認ください。

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