ボルト穴径(バカ穴)一覧表【JIS B 1001・1級/2級/3級】M3〜M30

JIS B 1001「ボルト穴径及びざぐり径」に基づく値です。通常の機械設計では2級を使うのが一般的です。

目次

ボルト穴径(バカ穴)一覧表 JIS B 1001

ねじ呼び1級 φ2級 φ(一般)3級 φ

等級の使い分け

  • 1級: 位置決め精度を上げたい箇所、薄板で座面を広く残したい箇所。穴位置公差が厳しくなるので加工コストは上がります
  • 2級: 一般的な機械部品はこれ。迷ったら2級で問題ありません
  • 3級: 現合合わせ・調整代が欲しい箇所、溶接構造や建築金物などラフな組立

よくある質問

M6のバカ穴は何ミリ?

2級でφ6.6が標準です。精密ならφ6.4(1級)、調整代が欲しければφ7(3級)。

バカ穴とキリ穴の違いは?

どちらもボルトを通すだけの穴を指す現場用語です。図面で「9キリ」とあればφ9のドリル加工穴(M8用バカ穴)を意味します。

位置調整したいときはどうする?

3級にするか、長穴(スロット)にします。長穴は幅=2級穴径、長さ=穴径+調整量が目安です。

バカ穴(ボルト穴)とは

バカ穴とは、ボルトを通すためだけに開ける、ねじの切っていない通し穴のことです。ボルト穴やクリアランスホールとも呼ばれます。締結する相手側にめねじ(タップ)を切り、こちら側は少し大きめの穴でボルトを通して締め付けます。

ねじが切ってある穴(タップ穴・めねじ)はボルトが直接ねじ込まれて固定されますが、バカ穴はボルトが自由に通るだけです。同じ板を締結するとき、片側をバカ穴、もう片側をタップ穴(またはナット)にするのが基本構成です。バカ穴を少し大きめにするのは、加工誤差や組立時の位置ずれを吸収し、ボルトをスムーズに通すためです。

1級・2級・3級の使い分け

JIS B 1001では、ボルト・小ねじ用の通し穴径を1級(密)・2級(中)・3級(粗)の3等級で規定しています。等級が上がる(1級→3級)ほど穴径が大きくなり、組立てはしやすくなりますが、ボルトと穴のすき間が増えるため位置決め精度は下がります。

  • 1級(密):すき間が小さく位置決め精度が高い。精密な位置合わせが必要な部品向けで、加工・組立にも精度が求められます。
  • 2級(中):標準的なすき間。一般的な機械部品で最も広く使われ、迷ったときの基準になりやすい等級です。
  • 3級(粗):すき間が大きく組立てが容易。位置精度をあまり必要としない板金や大型構造物向けです。

実務では、特別な理由がなければ2級を選ぶケースが多いです。位置決め精度と組立性はトレードオフの関係にあるため、要求精度・部品の大きさ・加工方法を踏まえて等級を選定してください。

バカ穴の設計のポイント

バカ穴とボルトのすき間は、位置度公差(位置のばらつき)を吸収する役割を持ちます。穴を大きくすればボルトの位置ずれを許容しやすくなり組立性は向上しますが、締結後のがたつきや座面のずれが大きくなる点に注意が必要です。位置精度を確保したい場合は、穴を小さめ(1級寄り)にするか、位置決めピン(ノックピン)を併用します。

  • 複数のボルトで締結する場合、穴どうしのピッチ精度(穴間距離のばらつき)が組立性を大きく左右します。ピッチがずれると片側は入っても反対側のボルトが通らなくなります。
  • 位置の調整をしたい部分には、丸穴ではなく長穴(ルーズホール)を使うと、一方向の位置合わせが容易になります。
  • すべてのボルトを最大すき間で設計すると位置が定まらないため、基準となる1〜2箇所を位置決めピンやきつめの穴で固定し、残りをバカ穴にする方法が有効です。

締結部の位置ばらつきを検討する際は、普通公差(一般公差)ボルトの強度区分もあわせて確認しておくと設計精度が高まります。

図面での指示

バカ穴は図面上、「6.6キリ」「⌀6.6ドリル」のように穴径と加工方法(キリ=ドリル加工)で表すのが一般的です。座グリを併用する場合は座グリ径・深さも併記します。指示の書き方の詳細はバカ穴・ざぐりの図面指示の書き方を、座グリ寸法は座グリ穴寸法の一覧表を参考にしてください。

参考になる書籍

バカ穴やねじ穴の寸法・図面指示をまとめて手元で確認したいときは、便覧が一冊あると便利です。(以下はPRを含みます)

使う上での注意(免責)

本記事で紹介した記号の意味・特徴・用途は、代表的な材料についての一般的な目安です。JIS規格は改訂されることがあり、記号の呼称や規定値が変更される場合があります。また、同じ記号でも規格の版やメーカーによって成分・機械的性質に幅があるため、実際の設計・製造では必ず最新のJIS規格や、メーカーが発行するミルシート(材料試験成績書)で数値を確認してください。

材料の選定や強度・寸法の決定は、使用条件・安全率・法規制などを総合して判断する必要があります。本記事の内容の利用によって生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いません。最終的な判断は、各自の責任において行ってください。

使う上での注意

本記事の一覧表・計算ツールは、JIS B 1001などの規格や実務上の目安をもとに作成した参考値です。実際の設計・加工にあたっては、使用するボルトの規格・相手部品の精度・要求される位置決め精度に応じて、必ずご自身で確認・検証してください。本ツールの利用によって生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

この記事を書いた人

和田 慎(わだ しん)。機械設計歴8年。個人事業主として、主に自動車業界向けの専用機(専用装置)の設計を手がけています。現場で実際に使う計算や図面の知識を、新人の頃につまずいた経験をふまえて、できるだけわかりやすくまとめています。記事の数値や規格は目安であり、実際の設計・加工はJIS規格・メーカー資料・社内基準をご確認ください。

目次