はりのたわみ計算ツール【片持ち・両端支持】断面形状から自動計算

断面二次モーメント I: mm⁴
最大たわみ δ: mm

等分布荷重の場合、荷重欄には「全荷重W(N)」を入れてください(w=W/Lとして計算)。自重によるたわみを見る場合は部材の質量×9.8を全荷重として入力します。

目次

使い方

支持条件・断面形状・荷重・スパンを入れると、はり(梁)の最大たわみを計算します。架台やフレームの剛性チェック、シャフトの自重たわみ、センサブラケットの検討などにどうぞ。

たわみの公式

条件最大たわみ δ発生位置
片持ち・先端集中荷重PPL³/(3EI)先端
片持ち・等分布(全荷重W)WL³/(8EI)先端
両端支持・中央集中荷重PPL³/(48EI)中央
両端支持・等分布(全荷重W)5WL³/(384EI)中央

断面二次モーメント I

断面I
矩形 b×hbh³/12(hはたわむ方向の寸法)
丸棒 φdπd⁴/64
パイプ D×dπ(D⁴−d⁴)/64

よくある質問

たわみはどのくらいまで許容できる?

用途によりますが、一般機械のフレームでスパンの1/1000〜1/500、精度が必要な架台で1/2000程度を目安にすることが多いです。搬送・位置決め装置では要求精度から逆算してください。

矩形断面は縦置きと横置きでどれだけ違う?

Iはh³に比例するので、20×10の角棒を縦に使う(h=20)と横置き(h=10)の8倍たわみにくくなります。板は立てて使うのが鉄則です。

固定端の条件で結果が変わる?

実機の「固定」は理想固定より甘いことが多く、実たわみは計算値より大きめに出ます。ボルト2本止め程度なら両端支持寄りで見ておくのが安全側です。

※本ツールは弾性範囲の概算です。重要な強度部材は応力・座屈・振動を含めて別途検討してください。

はりのたわみとは

「はり(梁)」とは、荷重を受けて曲げが働く棒状の部材のことです。棚板、シャフト、フレームの横材、片持ちで突き出した治具など、身の回りの機械部品の多くははりとして扱えます。荷重がかかると、はりはたわんで(曲がって)変位します。この曲がった量がたわみです。

なぜたわみを確認するのかというと、部品は「壊れなければよい」だけでなく「変形しすぎないこと」も求められるからです。強度(応力)が持っていても、たわみが大きすぎれば精度が出ない・ガタつく・見た目に不安を与える、といった不具合になります。設計では応力とたわみの両面から部材を検討します。長さの単位換算が必要なときは 単位換算ツール もどうぞ。

たわみの計算式の考え方

たわみは、荷重の大きさ・はりの長さ・材料の硬さ・断面の形で決まります。代表的な条件の最大たわみδは次のように表されます(P: 集中荷重、L: 長さ、E: 縦弾性係数、I: 断面二次モーメント)。

  • 片持ちはり(先端に集中荷重):δ = P L3 ÷(3 E I)
  • 両端支持はり(中央に集中荷重):δ = P L3 ÷(48 E I)

式を見ると、たわみは長さLの3乗で効くことが分かります。長さが2倍になるとたわみは8倍。だから「少し長くしただけ」で急にたわむのです。分母のEとIが大きいほどたわみは小さくなります。

  • E(縦弾性係数・ヤング率):材料の硬さ(変形しにくさ)を表す値。鋼は約206GPa、アルミは約69GPaで、鋼はアルミの約3倍たわみにくい。
  • I(断面二次モーメント):断面の形が曲げに対してどれだけ踏ん張れるかを表す量。

材料選びでEが効くため、鋼材やアルミの性質は 鋼材の種類まとめアルミ合金の種類 もあわせて確認してください。

断面二次モーメントと断面形状

たわみを左右するIは、断面の「形」で決まります。ポイントは、同じ断面積(=同じ重さ・材料費)でも、形によって剛性が大きく変わることです。曲げに対しては、材料を荷重方向の外側(上下)に配置するほどIが大きくなります。

分かりやすいのが矩形断面の縦置き・横置きです。幅b・高さhの矩形のIは I = b h3 ÷ 12。ここでもhが3乗で効くので、同じ板でも高さ方向を荷重に合わせて立てて使う(縦置き)だけで、寝かせて使う(横置き)より格段にたわみにくくなります。定規を平らに持つと簡単にしなるのに、立てて持つとほとんど曲がらないのと同じ理屈です。

H形鋼やパイプ(中空断面)が効率よく剛性を稼げるのも、材料を外側に寄せてIを大きくしているからです。部材の重さと剛性のバランスを取りたいときは 重量計算ツール もあわせて活用してください。

実務でのたわみの目安と対策

どこまでのたわみを許すかは用途しだいですが、精度が必要な機械部品ではスパンに対してごく小さい変位に抑えるのが一般的です。過大なたわみを見つけたときの代表的な対策を挙げます。

  • 断面を大きくする/形を見直す:とくに荷重方向の高さhを増やすとIが3乗で効き、効果が大きい。
  • リブを立てる:薄板や板金では補強リブでIを稼ぐと、重量を大きく増やさず剛性を上げられる。
  • 支持を追加する・スパンを縮める:Lが3乗で効くので、支持点を増やして曲げ長さを短くするのは非常に効果的。
  • 材料を変える:アルミから鋼へなど、Eの高い材料にするとたわみは減る(ただし重量増)。

まずは上のツールで条件を変えながらたわみの変化を掴み、どのパラメータを動かすのが効くかを確認すると、対策の当たりがつけやすくなります。

参考になる書籍

材料力学やはりの計算を体系的に学び直したいときは、手元に一冊あると安心です。以下は機械設計・材料力学の定番書です。

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免責事項

本ツールおよび計算式は、はりのたわみの目安を得るための参考情報です。実際の構造は荷重条件・支持条件・材料のばらつき・応力集中などの影響を受け、単純ばりの式どおりにはなりません。実際の設計にあたっては、必ず適切な材料力学・構造計算と安全率のもとでご検討ください。本ツールの利用によって生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

この記事を書いた人

和田 慎(わだ しん)。機械設計歴8年。個人事業主として、主に自動車業界向けの専用機(専用装置)の設計を手がけています。現場で実際に使う計算や図面の知識を、新人の頃につまずいた経験をふまえて、できるだけわかりやすくまとめています。記事の数値や規格は目安であり、実際の設計・加工はJIS規格・メーカー資料・社内基準をご確認ください。

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