切削条件計算ツール【回転数⇔周速・送り速度】被削材別の目安表つき

回転数 N: min⁻¹
周速 Vc: m/min
テーブル送り Vf: mm/min

N = 1000×Vc ÷ (π×D) / Vf = N×fz×z。旋盤・ドリル(mm/rev)の場合はz=1にしてfzに1回転あたり送りを入れてください。

目次

使い方

カタログの推奨切削速度(周速)から主軸回転数を求める、または今使っている回転数から周速を逆算するツールです。エンドミル・ドリル・旋盤・マシニングの条件出しにどうぞ。テーブル送りはフライス用(N×fz×z)です。

被削材別の切削速度の目安(m/min)

被削材ハイス工具超硬工具
SS400・S45C(生材)20〜35100〜200
調質鋼・プリハードン鋼10〜2060〜120
SUS30410〜2060〜120
鋳鉄 FC25020〜30100〜200
アルミ合金60〜150200〜1000
銅・真鍮40〜80150〜300

※工具メーカー・コーティング・突き出し量・機械剛性で大きく変わります。必ず工具カタログの推奨条件を優先し、上表は初期値の目安としてください。

よくある質問

φ10超硬エンドミルでSS400を削る回転数は?

周速120m/minとすると N=1000×120÷(3.14×10)≒3,800min⁻¹。fz0.05×2枚刃なら送り約380mm/minが出発点です。

周速(切削速度)とは?

刃先が被削材表面を通過する速さです。工具寿命と仕上げ面を決める最重要パラメータで、径が変わっても周速を保つように回転数を変えるのが条件出しの基本です。

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切削速度・回転数・送りの関係

切削加工の条件出しは、切削速度(周速)Vc主軸回転数 N送りの3つの関係を押さえることから始まります。工具径をD(mm)とすると、周速と回転数は次の式で結ばれます。

Vc = π × D × N ÷ 1000(Vc: m/min、D: mm、N: min-1

つまり回転数を求めたいときは N = 1000 × Vc ÷(π × D) と変形します。同じ回転数でも工具径が大きいほど外周のスピード(周速)は速くなる、という点がポイントです。だからφの大きい工具ほど回転数を下げる必要があります。

送りには、刃1枚あたりの送り「1刃送り fz(mm/刃)」と、1分あたりに進む「送り速度 F(mm/min)」があります。刃数をzとすると F = fz × z × N の関係です。周速で回転数を決め、1刃送りから送り速度を決める、という順番で条件が組み上がります。上のツールはこの計算を自動化したものです。

材料別の切削条件の考え方

切削条件は「何を削るか(被削材)」で大きく変わります。目安の数値は上の一覧表に譲り、ここではなぜ変わるのかという考え方を整理します。

  • 硬さ・強度:硬い材料ほど切削抵抗が大きく発熱しやすいため、周速は下げ気味にします。焼入れ鋼などはさらに慎重に。
  • 被削性:快削鋼のように削りやすい材料は周速を上げられます。ステンレスは加工硬化しやすく、粘りがあるため条件はやや控えめに。
  • 熱伝導:アルミは熱が逃げやすく被削性が良いので高い周速が使えます。一方チタンは熱がこもりやすく低速側に。
  • 工具材種との相性:超硬とハイスでは使える周速の桁が変わります。

鋼材の種類ごとの性質は 鋼材の種類まとめ、アルミの合金系統は アルミ合金の種類 でも整理しています。材料の素性が分かると、なぜその条件になるのかが腑に落ちます。

条件出しの実務の流れ

現場での条件出しは、いきなり攻めた数値を入れるのではなく、安全側から始めて様子を見ながら詰めていくのが基本です。

  • 工具メーカーのカタログ推奨値、または上のツールの目安から出発する。
  • まずは推奨値の中央〜やや低めで削ってみて、加工面・音・切りくずの状態を確認する。
  • 問題がなければ徐々に条件を上げ、能率と工具寿命のバランスを取る。
  • 狙いの面粗さが出なければ送りを下げる、寸法が安定しなければ切込みを見直す。

調整の判断材料になるサインも覚えておきましょう。

  • びびり(振動):加工面に規則的な模様、甲高い音。突き出しが長い・剛性不足・条件が合っていないサイン。回転数や切込みを変えて逃がします。
  • 工具摩耗:切れ味の低下、面粗さの悪化、切削音の変化、切りくず色の変化。摩耗が進む前に交換します。
  • 切りくずの色・形:焼けて青紫になるのは発熱過多の目安。周速や切込みの見直しを。

より踏み込んだ条件の決め方は 切削条件の出し方 のコラムでも解説しています。あわせてご覧ください。

参考になる書籍

切削条件や工具選定を体系的に学びたいときは、手元に一冊あると心強いです。以下は機械加工・製図の定番書です。

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免責事項

本ツールおよび目安表は、切削条件を検討する際の参考情報です。最適な条件は工作機械・工具・被削材の状態・冷却方法などによって変わります。実際の加工にあたっては、工具メーカーの推奨値や社内基準を必ずご確認のうえ、安全側から試し削りを行ってください。本ツールの利用によって生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

この記事を書いた人

和田 慎(わだ しん)。機械設計歴8年。個人事業主として、主に自動車業界向けの専用機(専用装置)の設計を手がけています。現場で実際に使う計算や図面の知識を、新人の頃につまずいた経験をふまえて、できるだけわかりやすくまとめています。記事の数値や規格は目安であり、実際の設計・加工はJIS規格・メーカー資料・社内基準をご確認ください。

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